埼玉県内の芸術活動グループ 

【会員個人作品】
 「坂本龍馬」肖像レリーフ制作の実演 (6)
油土を使って肖像レリーフを造る工程を、構想から完成までの制作進行に合わせ、紹介します。
レリーフを造ってみたい方へのヒントになればと思い、制作の進行具合をアップするだけでなく、“裏ワザ”を含めた技法や、材料・道具の解説も一緒にメモします。



2010年7月4日
「肖像部分の制作(3)」

大まかな形が自分なりに納得できたら、徐々に部分的な微調整に入って行きます。

部分的なところをつくるにしても、目だけ、鼻だけ別個につくるのは良くありません。
細部をつくるにしても全体的に少しずつ進めます。
よく言われますが、ちょうど霧が晴れて景色が見えてくるように全体的徐々にクリアーにして行きます。

粘土でつるく塑造の場合、粘土をつけたり削ったりの連続です。
粘土をつけていくのをモデリング、削っていくのをカービングと言います。
そのモデリングやカービングの面白さを追う肖像レリーフもあります。
生き生きした肉付けや削り取りの妙味を見せる制作ですが、それも基本的にモデルとなる人物の大きな構造を捉え、徐々に部分的なところへ進んでいく流れは変わりありません。

~肉付け開始からここまで約8時間ほど~






<大まかな形のめぼしがついたところで、細部へ向かう>
大まかな形が出来たら一度トレースを重ねて位置取りし、それを目安に部分的なところへ進んで行きます。


<なんとなくこんな感じかな・・・>
私はこの段階まで光がまんべんなく差す蛍光灯の下で造っています。
その方が、かたまりで形が追えるので良いと思っています。
中にはスポットライトのように一方からの光で造る人もいます。
レリーフは光の角度で微妙に変化して見えるので理に適ってはいるのですが、それだと陰影で形を追うことになり間違いに陥りやすくなります。





<横からはこんな感じ>
この方向からの形が不自然に感じます。
何か間違いがあるようです。








こちらからはいいように思えるのですが。



● 中村和彦(第二部・彫刻)
 ・1951年 福岡県生
 ・東京藝術大学彫刻科・大学院を経て、造幣局工芸官
  現職にて貨幣・メダルなどの原型制作に携わりながら制作活動を行っている
 ・埼玉県美術家協会 彫刻部 委嘱
 ・白岡市美術家協会 会員
 ・個人のホームページは<こちら>から


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