埼玉県内の芸術活動グループ 

【会員個人作品】
 「坂本龍馬」肖像レリーフ制作の実演 (8)
油土を使って肖像レリーフを造る工程を、構想から完成までの制作進行に合わせ、紹介します。
レリーフを造ってみたい方へのヒントになればと思い、制作の進行具合をアップするだけでなく、“裏ワザ”を含めた技法や、材料・道具の解説も一緒にメモします。



2010年7月25日
「肖像部分の制作(5)」

肖像を造っていく時は、モデルとなる人物の個性を表現するのが重要です。
ひとくちに個性といっても内面的な人間性としての個性もあれば、単に顔かたちでの特徴としての表層的な個性もあります。
目がぱっちり、鼻が大きいなどの「特徴」ではなく、内面的な人格・性格と言うか「人となり」と言われる個性を捉えるのが重要になります。

歴史的人物などの場合、学者や小説家が作り上げたイメージが広まり、様々な人間像に作り上げられています。
ある意味、フィクション性が強いことから本当のところが判別出来ない世界です。
そんな中で史実を追い、一枚の写真の中からモデルとなる人物についての自分なりのイメージを作るのは楽しい作業でもあります。

~肉付け開始からここまで約12時間ほど~






<細部を作っていきます>
例えば役者さんが与えられた役柄になりきって演技するように、造る時もその人物になりきって作ることが肝心です。



<右斜めから>
いろんな方向からスポットライト的に光を当て、細部の形をつくり込んでいきます。
目・鼻・耳・口・頬・顎・額、それに髪の毛。
ただ、どこまで造り込むかが問題になります。
細かく作っても、それが良いとは言えません。
全体の中の部分であり、バランスが必要だからです。






<全体的にはこんなふう>
まだこの段階になっても大きく肉をつけたり、削ったりしています。
今週は、胸から腹にかけて3ミリ程度の厚みをつけました。
バランス的に腹の部分のボリュームが足りないと判断したからです。








<全体 斜めから>
衣紋の形も徐々に細かく表現して行きます。







<粘土仕上げ用のヘラ>
粘土用なので多くはツゲの木を細工したものです。
粘土での終盤用なので、ヘラ先は細かい形になります。




● 中村和彦(第二部・彫刻)
 ・1951年 福岡県生
 ・東京藝術大学彫刻科・大学院を経て、造幣局工芸官
  現職にて貨幣・メダルなどの原型制作に携わりながら制作活動を行っている
 ・埼玉県美術家協会 彫刻部 委嘱
 ・白岡市美術家協会 会員
 ・個人のホームページは<こちら>から


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