埼玉県内の芸術活動グループ 

【会員個人作品】
 「坂本龍馬」肖像レリーフ制作の実演 (12)
油土を使って肖像レリーフを造る工程を、構想から完成までの制作進行に合わせ、紹介します。
レリーフを造ってみたい方へのヒントになればと思い、制作の進行具合をアップするだけでなく、“裏ワザ”を含めた技法や、材料・道具の解説も一緒にメモします。



2010年10月3日
「シリコン型取り」
保存のことなどを考え、今回はシリコンで凹型を取ることにしました。
シリコンの凹型があれば、作品を石膏だけでなく樹脂にすることも出来ます。

型取り用のシリコンは硬化するとゴム状になるので、作品をプラスティックにする場合や、複製品を作りたい場合に使われる便利な材料です。

通常、主剤と硬化剤の二液性で、化学反応で約半日で硬化します。
シリコン型を作る手順は、
 (1)薄く第1層目を塗り、硬化させる。
 (2)第2層目を塗ると同時に補強材としてのガーゼを敷く。
 (3)硬化後、バックアップとして石膏を被せる。
と大まかに以上の3段階ですが、作業には2日ほどかかります。





主剤と硬化剤をよく混ぜ合わせたあと流し込み、気泡が入らないよう筆などで伸ばしていきます。

すべての行程が終了すれば、まずシリコンの上に被せた石膏のバックアップを外し、凸型に被さったシリコンを端からゆっくりと捲り取って行きます。
以上で、シリコン型の完成です。





シリコン凹型をはがしているところです。



「シリコン型への石膏流し込み」
今回、この龍馬の肖像レリーフは石膏にして、それに着色して完成させることにします。
シリコン型に石膏を流し込んで作りますが、今までの石膏取りと違って、かたどりしたいところは粘土で作った四角い部分だけで楕円形のベースの部分は必要ありません。
レリーフの裏面のフラットを出すため、石膏を流し込む時に板ガラスを使って余分な石膏を排除し平滑面を作ります。





作品となる石膏をシリコン凹型に流し込んだあと、裏面のフラットを出すため板ガラスで押さえ込みます。

石膏が硬化すれば、シリコン型から外し、最後の段階になる着色仕上げのために乾燥します。



硬化後シリコン型から外した状態です。
写真では見にくいですが、ガラス板に張りついた状態です。
ガラス板から外してバリなどを取る修正を行い、乾燥すれば出来上がりです。



● 中村和彦(第二部・彫刻)
 ・1951年 福岡県生
 ・東京藝術大学彫刻科・大学院を経て、造幣局工芸官
  現職にて貨幣・メダルなどの原型制作に携わりながら制作活動を行っている
 ・埼玉県美術家協会 彫刻部 委嘱
 ・白岡市美術家協会 会員
 ・個人のホームページは<こちら>から


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